福岡県で遺言書の書き方に悩んでいる方向けに行政書士が初心者の方でもわかりやすいように解説します。
親である自分が福岡県に住んでいて子どもたちが遠くに住んでいる場合、いざ相続が始まったときに子どもたちが福岡県に集まり遺産分割の協議をするところを想像してみてください。
子どもたちにも仕事があるので遺産分割協議書が長引けばそれだけ話がまとまらない恐れがあります。
今のうちに遺言書の書き方を学び、作っておけば遺産分割協議書の手間が省け子どもからは感謝されることは間違いありません!
遺言の作成のサポートは行政書士にお任せ下さい!遺言の原案の作成、公証役場との打ち合わせなどのサポートを行います。お気軽にお問い合わせください!
遺言書とエンディングノートの違い
まずはじめに遺言書とエンディングノートの違いについて解説します。
遺言書とエンディングノートの大きな違いは法的な拘束力があるかどうかです。
遺言書は本人の意思で、自分の死後の財産の分割を決めることができる法律で定められた制度でありその内容は法的な拘束力があります。
ですので相続人が自分の損になる内容であってもその遺言書の内容に従う必要があります。
エンディングノートは法的な拘束力はなく自分が認知症になったときや亡くなったあとのことの「お願いごと」をまとめたノートです。
財産のリスト、葬儀やお墓の希望、介護の方針、治療方針、最後の迎え方、子どもやお世話になった人へのお手紙などを記載します。
法的な拘束力を持たせるなら「死後事務委任」の契約がおすすめ
死後事務委任は自分が亡くなったあとのお墓のこと、行政手続き、介護施設のお金の精算、不動産の賃貸の解約、関係者への連絡、SNSや個人情報の削除、ペットの世話などを契約書にすることができます。
契約書を公正証書で作成することにより法的な拘束力が強まります。
契約する相手は家族や友人などの死後事務委任契約をしっかりとこなしてくれそうな信頼のある人か、弁護士などの士業、社会福祉協議会、民間企業などがあります。
死後事務委任化益が向く人は身寄りのない方、家族と絶縁している方、内縁関係の方などです。
まとめますと死後事務委任は自分が亡くなったあとの遺言では実現できないことを契約書にすることです。弁護士や民間企業と契約可能でおひとり様相続に向いています。
| 遺言とはエンディングノートの違い | |
|---|---|
| 遺言 | エンディングノート |
| ・本人の意思で、自分の死後の財産の分割方法や身分関係(認知など)の意思定めることができる制度 ・法的な拘束力がある | ・法的な拘束力はない ・財産の整理、財産のリスト作成 ・葬儀やお墓の希望 ・介護の方針、治療方針、最後の迎え方の希望 ・子どもやお世話になった人への手紙 などはこちらへ書く 法的な拘束力をもたせるなら「死後事務委任」の契約書を作成する ・お墓のこと ・死後の行政手続き ・病院や介護施設のお金の精算 ・不動産の賃貸借契約の解約 ・関係者への連絡 ・SNSの削除、個人情報の削除 ・ペットの世話 など ・身寄りのいないおひとり様相続向け |
まとめると
遺言は法的な拘束力があり財産や身分関係を生前に決めておくことができます。
その他のことに関してはエンディングノートを利用し、さらに死後事務委任を利用すれば法的な拘束力があります。
遺言をするメリット
遺言をするメリットについてです。
相続争いを防止できる
なかには財産が少ないから遺言は不要だとか言う方もいますが、令和2年の家庭裁判所の調停の内1千万円以下の遺産の割合は約35%ですので財産が少ないからというのは当てはまりません。
相続人以外に財産を残せる
自分が亡くなったあとでは相続人以外に財産を残すことは難しです。たとえ介護をしてくれた友人がいても相続人が財産の分割に応じてくれるかどうかはわからないからです。
特定の団体に寄付したり、介護でお世話になった人、結婚していないパートナー、配偶者の連れ子など遺言をすることで特別に財産を残すことができます。
| 遺言をするメリット | |
|---|---|
| ・相続争いを防止できる。(令和2年の家庭裁判所の調停の内1千万円以下の遺産の割合は約35%(5807件中2017件) ・相続人以外に財産を残せる(寄付、介護などでお世話になった人、結婚していないパートナー、配偶者の連れ子など) ほかにも、 ・今ままで悩んでたことが遺言書の中にハッキリと表現されて解消できる。 ・自分の財産を整理したり、人生を振り返ったり、家族のことを考えたり、公証役場へ訪れたり等、いろいろなことをするので、それを乗り越えて作成した遺言書は達成感がある。 |
遺言の誤解
遺言を残すのはまだ早い
遺言の作成は想像以上にたくさんのことをするので心理的に負担がかかります。心身ともに健康な状態が遺言の残し時です。
認知症になってしまうと遺言能力が無いとされ遺言を残すことができません。
遺言をすると子どもが冷たくなる
もしそのようなことがあれば、遺言は撤回や作り直しができます。
遺言をすると財産が使えなくなる
遺言は亡くなったときから効力を有するので生きている間は自由に財産を使うことができます。
| 遺言の誤解 | |
|---|---|
| ・遺言を残すのはまだ早い。(遺言の作成は想像以上にたくさんのことをするので心理的に負担がかかるので。心身ともに健康な状態が遺言の残しどき。認知症だと遺言能力がない方は遺言を残すことがでいない。) ・遺言をすると子どもが冷たくなる。(もしそのようなことがあれば、遺言はあとで撤回や作り直しをすることができる) ・遺言をすると財産が使えなくなる。(遺言は亡くなったときから効力を有するので生きている間は自由に財産を使うことができる。) |
遺言書作成チェックリスト
では実際に遺言書を作っていきます。
遺言者の情報
氏名は戸籍を取寄せ正確な漢字で記入してください。職業は公正証書遺言をする場合に必要です。
| 遺言者 | 1 | 氏名 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | フリガナ | |||||
| 3 | 職業 | |||||
| 4 | 住所 | |||||
| 5 | 本籍 | |||||
遺言能力
認知症の方は遺言をすることはできません。後に説明しますが公正証書遺言であれば公証人が認知症疑いの方の遺言をさせません。
| 遺言能力 | 1 | 有□ 無□ | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
遺言を残す理由
遺言を残す理由は公序良俗に反しないことが必要です。愛人に財産を残すなどといった内容は作成できません。
| 遺言を残す理由 | 1 | 公序良俗に反しない□ | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
遺言執行者
遺言執行者とは遺言をした人が亡くなったあとに遺言の内容を実現するための一切の権利を有する者です。
遺言執行者を指名しないこともできますがその場合は亡くなったあとに家庭裁判所に遺言執行者を申し立てる必要があります。
遺言執行者が先に亡くなることもあるので念の為2人指名したほうがいいです。
遺言執行者の報酬を指定することもできます。報酬は相続財産から支払われます。
| 遺言執行者 | 1 | 住所 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 氏名 | ||||||
| 生年月日 | ||||||
| 職業 | ||||||
| 報酬 | ||||||
| 2 | 住所 | |||||
| 氏名 | ||||||
| 生年月日 | ||||||
| 職業 | ||||||
| 報酬 | ||||||
証人
公正証書遺言をする場合に必要です。公証役場に報酬を渡して用意して貰うこともできます。
| 証人 | 1 | 住所 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 氏名 | ||||||
| 生年月日 | ||||||
| 職業 | ||||||
| 2 | 住所 | |||||
| 氏名 | ||||||
| 生年月日 | ||||||
| 職業 | ||||||
財産の分割割合
何を、誰に、どのくらい、そして遺言執行時にその人が亡くなっていた場合に誰に財産を渡すか(逆縁対策)
分割割合は100万円などと具体的数字でも2分の1といった割合の指定もできます。
| 内容 | 誰に | 分割割合 | 逆縁対策 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 財産 | 1 | 不動産 | ||||
| 2 | 金融資産 | |||||
| 3 | 動産 | |||||
| 4 | 祭祀財産 | |||||
| 5 | その他全て |
付言
付言とは法的な拘束力は無いものの遺言者の気持ちなどを記すことができます。
特定の人に多く財産を渡している場合にその理由を記しておくことで相続人の争いを防止することができます。
| 付言 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
遺言の方法
自筆証書遺言と公正証書遺言の違いについては次で説明します。
| 遺言方法 | 1 | 自筆証書遺言 □ 公正証書遺言 □ | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
自筆証書遺言と公正証書遺言の違い
亡くなったかたの1割が遺言をしていますが、その内公正証書遺言と自筆証書遺言の割合は9:1です。ほとんどの方が公正証書遺言を選択しています。
公正証書遺言のほうが手間と費用はかかりますが遺言の内容が確実に実現できる可能性が高いのでおすすめです。
| 自筆証書遺言 | 公正証書遺言 |
|---|---|
| 特徴 | |
| ・全文を自筆で作成 ・費用がかからず手軽 ・紛失などの危険 ・家庭裁判所への検認作業が必要 | ・公証役場へ行き公証人と証人2名と共に作成する ・遺言内容を公証人に伝えて遺言内容を作成する ・費用がかかるが遺言の内容が確実に実現される可能性が高い |
| メリット | |
| ・手軽に作成できる ・費用が不要(専門家への報酬は必要) | ・遺言の内容がほぼ確実に実現される可能性が高い ・自宅や入院先でも作成可能 ・遺言を自分で書く必要がない |
| デメリット | |
| ・自分で全文を自筆するため大変 ・自分で遺言書を管理する ・無くす、偽造、隠される、捨てられる危険 ・相続開始時に家庭裁判所への検認作業が必要(相続人全員の立会の元、家庭裁判所で開封する。勝手に開けると罰則がある。) | ・「財産の総額」で手数料がかわる ・公証役場へ行くなどの手間がかかる |
| 準備するもの | |
| 通帳(預金)、貸金庫の資料 | 印鑑証明書、身分証明書、戸籍謄本(遺言者と相続人)、住民票(遺贈者)、固定資産税納税通知書(不動産)、通帳(預金)、貸金庫の資料 |
| 作成方法 | |
| ・「全文」「日付」「氏名」を本人が自筆で書く。 ・財産の目録はパソコンで制作できる。(署名と押印が必要) | 証人2名の立会の元、公証人が遺言を読み上げて間違いが無ければ遺言者、公証人、証人が署名と押印をする |
| 保管方法 | |
| ・本人が保管するか、遺言によって得する者などに保管を委ねる。 | ・公証役場に「原本」、遺言者が「謄本」、遺言によって得する者や亡くなったことをすぐに知ることができる者に「正本」を委ねる。遺言の執行はどれでも可能である。 |
遺言の必要書類
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 行政書士 | 行政書士に依頼した場合に行政書士が集める書類は「◯」になっています。そうでないものは「×」です。 |
| 自筆 | 必須は「◯」、より正確な遺言になる可能性が高いものは「△」、不要は「×」 |
| 公正 | 公正証書遺言では全て必須なので全部「◯」です。 |
| 必要書類 | 詳細 | 行政書士 | 備考 | 自筆 | 公正 |
|---|---|---|---|---|---|
| 印鑑証明書 | ・遺言者の印鑑証明書 | ✕ | ・公正証書遺言作成時の以前から3ヶ月以内のもの | △ | ◯ |
| 遺言者の身分証明書 | ・顔写真付きの身分証明書 ・運転免許証、マイナンバーカード等 | ✕ | △ | ◯ | |
| 戸籍謄本 | ・相続人に「相続させる」場合、遺言者と相続人の続柄がわかる戸籍謄本 | ◯ | △ | ◯ | |
| 住民票 | ・受遺者の住民票 ・相続人以外に「遺贈」する場合に必要 | ◯ | △ | ◯ | |
| 証人のメモ | ・証人の「住所」「氏名」「生年月日」「職業」が分かるメモ | ✕ | ・証人を自分で用意する場合に必要 | ✕ | ◯ |
| 遺言執行者のメモ | ・遺言執行者の「住所」「氏名」「生年月日」「職業」が分かるメモ | ✕ | ・遺言執行者を指名する場合に必要 (指名しない場合は、亡くなったあとに遺言執行者の専任を家庭裁判所へ申し立てる必要がある) ・相続人が遺言執行者になる場合は不要 | △ | ◯ |
| 不動産の資料 | ・一番最近の固定資産税納税通知書 | ✕ | ・不動産が財産に含まれる場合に必要(無い場合は「評価証明書」を取得する ・公正証書遺言の手数料の計算に使用する。 ・履歴事項全部証明書の請求に使用。 | △ | ◯ |
| ・履歴事項証明書 | ◯ | ・遺言書への不動産の記載に必要 | △ | ◯ | |
| ・評価証明書 | ◯ | ・固定資産税納税通知書が無い場合に必要 | △ | ◯ | |
| 金融資産の資料 | ・通帳の見開きページの写し ・金融機関、支店名、口座番号 | ✕ | ◯ | ◯ | |
| 貸金庫の資料 | ・銀行名、支店名、番号が分かる資料 | ✕ | ◯ | ◯ | |
| その他 | 必要に応じて |
自筆証書遺言の作成スケジュール
自筆証書遺言を作成する時のスケジュールです。合わせて行政書士に依頼した場合のスケジュールについても記載しておきます。
| 自分で | 行政書士に依頼した場合 |
|---|---|
| 遺言内容の検討と文案を作成する | 行政書士から質問しますのでお答えいただいた内容を元に文案を作成いたします。 |
| ・必要書類をすべて集める ・必要書類リスト△の物はより正確な記載をして万全を期すなら必要 | ・必要書類をご指示いたします。 ・行政から取寄せるものは行政書士が取寄せます(戸籍、住民票、評価証明書、履歴事項証明書など) |
| 遺言を自署して作成 | 書き終えた遺言書が法的に有効な内容か確認します。 |
自筆証書遺言チェックリスト
自筆証書遺言を買う時のチェックリストリストになります。
| 自筆証書遺言チェックリスト | |
|---|---|
| 「全文」の自署 | 本文を全て遺言書が自署する必要がある |
| 「日付」の自署 | 「令和6年7月8日」のように「年月日」を正確に自署で記載する |
| 「氏名」の自署 | 戸籍通りに正しく書く |
| 「印」を押す | 認印でも構わないが、実印を使用して印鑑証明書と一緒に遺言書を保管すると信憑性が上がる |
| 加除・変更の有無の確認 | 加除、変更の方式は法律で厳格に決められている。書き損じたら買い直しましょう。 |
| 封 | 「開封を禁ずる この遺言書を遺言者の死後速やかに家庭裁判所に提出して検認を受けること。 令和◯年◯月◯日 遺言者 ◯◯ 昭和◯年◯月◯日生」 と自署で書き日付は遺言書と同じに、印も同じ物を使用する。 |
公正証書遺言の作成スケジュール
公正証書遺言を作成する時のスケジュールです。合わせて行政書士に依頼した場合のスケジュールについても記載しておきます。
| 公正証書遺言のスケジュール | |
|---|---|
| 自分で | 行政書士に依頼した場合 |
| 遺言内容の検討と文案を作成する | 行政書士から質問しますのでお答えいただいた内容を元に文案を作成いたします。 |
| 必要書類をすべて集める | ・必要書類をご指示いたします。 ・行政から取寄せるものは行政書士が取寄せます(戸籍、住民票、評価証明書、履歴事項証明書など) |
| 公証役場に予約を入れる | 行政書士が行います |
| 公証人へ公正証書遺言チェックリストと必要書類、文案を提出、今後のスケジュールを話合う | 行政書士が行います |
| 一週間ほどで公証人から文案と費用の見積もりが提出される。(メール、又はFAX) | 文案と費用をご連絡いたします。 |
| 依頼者、公証人、証人の3名で作成日時の調整する | 行政書士が行います。 当日の持ち物の指示をします。 |
| 作成当日 ・公証人が遺言内容を遺言者に読み聞かせて本人確認する。 ・証人2人と遺言者で署名と押印する。 | 当日、付き添います。 |
以上、初心者向け遺言書の作り方を行政書士が解説しました。
遺言の作成のサポートは行政書士にお任せ下さい!遺言の原案の作成、公証役場との打ち合わせなどのサポートを行います。お気軽にお問い合わせください!
各種の証明書の手続き窓口
戸籍の取得に対応している行政窓口
北九州市/福岡市/大牟田市/久留米市/直方市/飯塚市/田川市/柳川市/八女市/筑後市/大川市/行橋市/豊前市/中間市/小郡市/筑紫野市/春日市/大野城市/宗像市/太宰府市/古賀市/福津市/うきは市/宮若市/嘉麻市/朝倉市/みやま市/糸島市/那珂川市
北九州市門司区/北九州市若松区/北九州市戸畑区/北九州市小倉北区/北九州市小倉南区/北九州市八幡東区/北九州市八幡西区/福岡市東区/福岡市博多区/福岡市中央区/福岡市南区/福岡市西区/福岡市城南区/福岡市早良区
糟屋郡宇美町/糟屋郡篠栗町/糟屋郡志免町/糟屋郡須惠町/糟屋郡新宮町/糟屋郡久山町/糟屋郡粕屋町/遠賀郡芦屋町/遠賀郡水巻町/遠賀郡岡垣町/遠賀郡遠賀町/鞍手郡小竹町/鞍手郡鞍手町/嘉穂郡桂川町/朝倉郡筑前町/朝倉郡東峰村/三井郡大刀洗町/三潴郡大木町/八女郡広川町/田川郡香春町/田川郡添田町/田川郡糸田町/田川郡川崎町/田川郡大任町/田川郡赤村/田川郡福智町/京都郡苅田町/京都郡みやこ町/築上郡吉富町
現在以上の市町村役場で戸籍の取得に対応しています。
登記簿謄本、評価証明書の取得に対応している行政窓口
最寄りの法務局で登記簿謄本と評価証明書の取得に対応しています。
