建設業許可が不要な「軽微な建築工事」とは?3つの工事の要件や陥りがちな請負金額の落とし穴などの基本事項を初心者にもわかりやすく紹介!

軽微な建設工事とは、建設業許可が不要な工事のことです。
建築を行うときは建設業許可が原則必要です。ただし、例外として軽微な建築工事であれば建設業許可が不要となります。
陥りがちな請負金額の落とし穴について知ることも重要です。なぜなら、建設業許可が必要な工事だと知らずに工事を行った場合、

  • 懲役刑
  • 罰金刑
  • 建設業許可が5年間取得できない

などのペナルティが課される可能性があるからです。

そうした状況を避けるためにも、軽微な建設工事の要件の基本を押さえて、対策しましょう!

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「軽微な建築工事」にあたる3つの工事

軽微な建築工事にあたる3つの工事を紹介します。

  1. 延べ面積150㎡未満の木造住宅工事
  2. 1500万円未満の建築一式工事
  3. 500万円未満の専門工事

延べ面積150㎡未満の木造住宅工事

軽微な建築工事とは、延べ面積150㎡未満の木造住宅工事です。

例えば、一般的な100㎡程度の木造住宅があたります。

以上のような、延べ面積150㎡未満の木造住宅工事が軽微な建築工事です。

まとめると、以下のようになります。

  • 一般的な建売住宅の延床面積は100㎡
  • 主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根又は階段)が木造
  • 延べ面積の2分の1以上が住居

根拠法令も合わせて載せておきます。

主要構造部 壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。

建築基準法 第2条第5号

法第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、千五百万円)に満たない工事又は建築一式工事のうち延べ面積が百五十平方メートルに満たない木造住宅を建設する工事とする。

建築基準法施行令 第1条の2

1500万円未満の建築一式工事

軽微な建築工事とは、1500万円未満の建築一式工事です。

例えば、1500万円未満の一般的な建売住宅、倉庫などです。
建築工事一式(総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建築する工事)とは具体的には建築確認の必要な新築、増改築に当たるもので、大工、内装、管、電気などの専門工事を組み合わせたものです。

法第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、千五百万円)に満たない工事又は建築一式工事のうち延べ面積が百五十平方メートルに満たない木造住宅を建設する工事とする。

建築基準法施行令 第1条の2

500万円未満の専門工事

軽微な建築工事とは、500万円未満の専門工事です。

例えば、内装の工事や電気の配線工事などの個別の工事のことです。

法第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、千五百万円)に満たない工事又は建築一式工事のうち延べ面積が百五十平方メートルに満たない木造住宅を建設する工事とする。

建築基準法施行令 第1条の2

請負金額について注意するべきこと

請負金額について、注意するべきことを紹介します。

  1. 請負金額は合算する
  2. 注文者の提供する材料費も含め、市場価格で計算し、運送費を加えたものを請負金額に加える
  3. 消費税及び地方消費税も含める
  4. 下請けに工事を発注する場合も500万円以上なら建設業許可が必要

請負金額は合算する

例えば、500万円以上の工事を2つの契約書に分けたとしても軽微な建築工事になりません。
長期に渡る1つの工事で、間をあけて2つの工事になったとしても1つの工事とみなされます。
内装工事、電気工事など、複数の工事を契約しても合算した請負金額が500万円未満でなければなりません。

まとめると

  • 2つに分けた契約も合算する
  • 長期の工事で期間の開いた2つの契約も合算する
  • 工種の違う契約も合算する

前項の請負代金の額は、同一の建設業を営む者が工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額とする。ただし、正当な理由に基いて契約を分割したときは、この限りでない。

建築基準法施行令 第一条の二の2

注文者の提供する材料費も含め、市場価格で計算し、運送費を加えたものを請負金額に加える

請負金額について注意するべきことは、注文者の提供する材料費も含め、市場価格で計算し、運送費を加えたものを請負金額に加えることです。

例えば、請負金額を安く見せるために、注文者の持ち込みにしたり、不当に安く見積もりを出したりしても、市場価格で計算しなければいけないため無意味ということです。

また、運送費も請負金額に加えるため、遠方の建設現場では500万円を超えてしまう可能性があるでしょう。

まとめると、請負金額は

  • 注文者の提供する材料費を含める
  • 市場価格で計算する。
  • 運送費を加える

注文者が材料を提供する場合においては、その市場価格又は市場価格及び運送賃を当該請負契約の請負代金の額に加えたものを第一項の請負代金の額とする。

建築基準法施行令 第一条の二の3

消費税及び地方消費税は含める

請負金額について注意するべきことは、消費税及び地方消費税は含めることです。

例えば、請負金額が460万で消費税が10%の場合、合わせて506万円ですので、建設業許可が必要な工事になってしまいます。

下請けに工事を発注する場合も500万円以上なら建設業許可が必要

請負金額について注意するべきことは、下請けに工事を発注する場合も500万円以上なら建設業許可が必要であることです。

建設業許可に関してお困りの方からのご相談をお待ちしております。