国土利用計画法の事後届出とは

無秩序な乱開発を防止する目的で、国土利用計画法では、一定の広さの大きさの土地の取引をしたときに、行政へ土地の取引の事後に届出をすることが義務づけられています。届出後は自治体の長によって審査が行われます。

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事後届出制度の手続の流れ

まずは、全体を知るため、事後届出制度の手続の流れについて説明します。

土地の権利を取得した方が、自治体へ届出を行います。期限は契約日を含めて2週間以内です。届出は受理後、3週間以内に長が利用目的の審査を行います。

「不勧告」

審査結果は「不勧告」の場合は特に通知などはされません。届出通りに土地を利用できます。

「勧告」

「勧告」は自治体の土地利用計画に適合しない場合に、計画に沿うように従わせる目的で出されます。「勧告」に従わない場合は「公表」されることがあります。

「助言」

適正かつ合理的な土地利用を図る目的で、自治体から、助言をすることがあります。

国土利用計画法の事後届出の対象とは

届出の対象取引

乱開発を防止する観点から必要な、国土利用計画法の事後届出ですが、その対象の取引は、以下の通りです。

  • 売買
  • 交換
  • 営業譲渡
  • 譲渡担保
  • 代物弁済
  • 共有持分の譲渡
  • 権利金等の一時金を伴う地上権・賃借権の設定・譲渡・予約完結権・買戻権等の譲渡(これらの取引の予約である場合も含む)

なお、借地契約の場合はどうかと言いますと、権利金などの一時払いの支払いがある場合は届出が必要です。

他にも、信託受益権の譲渡の場合は、最終的に土地の所有権が受益権者に移動する可能性があるなら届出が必要です。

一方、届出が不要な場合もあります。

自治体との取引の場合、贈与や相続、農地法第3条の許可受ける予定の土地などです。しかし、周辺の土地をまとめて取引した場合は「一団の土地」として届出が必要な場合があります。

届出の必要な土地の面積

一定の土地の面積以上の取引で事後届出が必要になります。国土利用計画法の事後届出が必要な土地の面積は、以下の通りです。

市街化区域2,000㎡以上
市街化区域を除く都市計画区域
(市街化調整区域や非線引き土地計画区域
5,000㎡以上
都市計画区域以外10,000㎡以上

なお、取引する土地がどの区域に含まれるかは、各市町に聞く必要があります。

また、小さい土地であっても、合計の土地の面積が上記より大きい場合は「一団の土地」として届出が必要です。

一団の土地について詳しくはこちら

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届出の義務者

土地の取引を行い、届出の義務が生じた場合の、国土利用計画法に基づく届出をする方は、権利の取得者です。

また、土地売買の場合は、買主です。

届出の期限

土地の取引の契約を行い、届出の義務が生じた場合の、国土利用計画法に基づく届出の期限は、契約日から2週間以内です。

なお、土地の移転登記、物件の引き渡し日、代金決済日ではなく、契約日が起算日になります。

そのほか、停止条件付き、例えば農地法の許可が出たことを条件に契約をした場合も、許可が出た日ではなく、契約日から届出の義務があります。

届出の書類

国土利用計画法に基づく、事後届出の書類は、届出書と添付書類です。なお、届出は郵送でも可能です。

①土地売買等届出書 正本1部、副本1部

届出用紙は市町の担当課で入手可能です。

また、県のホームページからもダウンロード可能です。

栃木県 ‐ 事後届出用紙

②添付書類(正本、副本にそれぞれ添付すること)

  • 土地の位置を明らかにした縮尺5万分の1以上の地形図(道路地図等)
  • 土地及びその付近の状況を明らかにした縮尺5千分の1以上の図面(住宅地図等)
  • 土地の形状を明らかにした図面(公図等)
  • 土地売買等の契約書の写しまたはこれに代わるその他の書類
  • (第三者に委任する場合)委任状

届出の注意点

国土利用計画法に基づく届出の義務ですが、注意点もあります。

実測面積と登記面積

実測面積と登記面積が違う場合がありますが、国土利用計画法に基づく事後届出では、届出時点で実測面積がわかっている場合は、実測面積を基準に届出を行います。

仮換地の場合

仮換地と従前地では、仮換地を基準に届出を行います。なお届出書には両方の面積を記載します。

複数の市町に属する場合

それぞれの市町に届出を行わなければなりません。なお、届出書には複数の市町に跨る土地であることを記載します。

筆数が多い場合

届出の筆数が多い場合は、別紙に必要事項を記載して、割印をします。

複数の土地の権利者と契約した場合

複数人と土地の契約をした場合は、個別に届出書を作成する必要があります。一つにまとめることはできません。

なお、連名で一つの契約書で作成した場合は、届出も一つで問題ありません。

届出をしなかった場合の罰則

一定の土地の取引をしたときに、国土利用計画法に基づき届出が必要ですが、期限の2週間を過ぎても届出をしなかった場合は罰則が科される可能性があります。

具体的には、届出をしなかったり、嘘の届出をすると、6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられることがあります。

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